議案1号 自転車の安全安心利用条例の一部改正
県よりも先がけて議員発議で制定した(2012年)条例の一部改正。自転車同士、自転車と歩行者の重大事故が増えていることから、損害賠償保険の加入が県条例で義務化され、市条例でも同調するもの。加入義務化といっても「努力義務」であり、火災報知器の設置と同じように義務ではあるが罰則はないというもので、市の役割は市民や小売業者への勧奨、広報活動にとどまる。印西市内には約44,700台の自転車が利用されていると推定され、現在はどのくらい保険に加入しているかは把握できない。県は60%の加入を目標にしており、市も60%を目標とするという。ちなみに、昨年度は自転車の重大事故は28件、死亡例はないとのこと。
議案2号 市税条例の一部改正
地方税法の改正を反映させたもの(五月雨式に何回もこういう改正がある)。今回の論点は大きく2つで、上場株式譲渡所得への課税が国税と地方税で課税方式が一本化され、地方税では所得税の確定申告書の記載をもって足りるようにしたこと。登記所と市との情報連携が拡大され、不動産登記が行われた際の通知事項に、名義者の死亡の符号やDV被害者等の住所に代わる事項が追加される。
固定資産台帳には氏名と住所が記載されているため、誰でも閲覧可能であり、納税証明や固定資産税評価証明の交付の際には、DV被害等で居住地を明らかにしてはいけない場合でも住所が表示されてしまう。これまでは、国からの通知を根拠に、住所の記載を伏せてきたが、改正により法的根拠が明確にされた。
議案3号 学童クラブの設置管理条例の一部改正
児童が急増している牧の原小学校の敷地内に牧の原第2学童クラブを建設中で、令和5年度開所に向けて設置管理条例に加えられた。この後、牧の原(第1)学童クラブ、滝野学童クラブとあわせて指定管理者が公募され、業者選定のあと、12月議会で指定管理者が指定されるスケジュールとなる。
牧の原学童クラブの現在の指定管理者はワーカーズコープとなっており、滝野学童は唯一残った直営(市が指導員を雇用し運営)学童。その他の学童クラブはすべてシダックス大新東ヒューマンサービスが管理者として指定されているが、指導員の雇用契約が専門職と思えないほど短期間であり、退職者も多く人手不足が続いているという話が耳に入っている。市はしっかり現状を把握して選定を行ってほしい。プレゼンの上手い事業者が、良い事業者とは限らない。
議案4号 手数料条例の一部改正
市が徴収する手数料の一覧に、長期優良住宅維持保全計画認定申請、長期優良住宅維持保全計画変更認定申請に対する審査手数料を加えるもの。耐震、省エネ性能などが一定の基準を満たしていると長期優良住宅に認定され、住宅ローン金利や税制面で優遇される制度に「維持保全計画」が加わったもので、まだ、どのようなメリットがあるのか明らかになっていない。
手数料額は千葉県と同額に設定されており、木造の一戸建て住宅で、あらかじめ民間で技術審査を受けている場合は一件につき12,000円、市で技術審査をする場合は62,000円となっている。印西市は「限定特定行政庁」なので、所掌範囲は木造2階建て250㎡以下のもの。それ以上の建築物は県の所管になる。
議案5号 文化ホール設置管理条例の一部改正
これまでずっと直営だった文化ホールの運営管理を民間委託するために、設置管理条例に「指定管理者による管理」を追加した。今後、指定管理者の公募・選定を行い、令和5年度からは民間運営となる予定。
文化ホールは2千万円の事業基金があり、その範囲で芸術文化の鑑賞事業が行われてきたが、席数の関係で黒字になる興行はほぼゼロ。基金は毎年の赤字を埋めるためにおかれている。民間委託後には基金は廃止され、その分を委託料として指定管理者に支払うことになる。現状の経費からすると、年間1億5千万円近い委託となるのではないか。
印西市には、芸術文化振興の基本的指針になる条例も計画も定められていない。そんな状況で民間委託にして、さらに振興から遠ざかるのではないかとも思うが、どんなに改善を訴え続けても変わらないので、このままで変化があるととうてい思えない。そもそも文化ホールは民間運営に適していると思うし、ここは民間委託に期待するしかない。
また、利用料金の改定も行われ、休日、夜間の割増しをなくし、1時間単位で設定し直し、全体としては負担減となった。しかし、チケット金額による割増制度は残ったため、市民の文化的活動でも有料公演は、すべて「営利目的」とされる制度は残った。「市民活動は無料があたりまえ」だと、手弁当で活動して持ち出しが当然という慣習が続くことになる。せめて経費分はチケットで還元したいのに、割増料金で消えてしまうことになる。市民の文化活動を支援する意味でも、もう少し検討してほしかった。「指定管理者の収入を確保するために必要な制度」という答弁はいかがなものか。
議案6号 一般会計補正予算(3号)
約3億円を追加する増額補正。主な使途は、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進のための民間人材登用の支援業務などに約740万円、行政手続きのデジタル基盤整備のためのシステム改修に1,805万円(チャットボットを活用したワンストップ窓口業務の構築、市民投稿共同アプリの構築など)、子宮頸がんワクチンの勧奨再開で、接種委託料などに1億5千万円、第3子以降の給食費無料化で約380万円、新高花学校給食センターの詳細設計費で約1,900万円など。
新高花学校給食センターは3,000食対応で、令和5年度までの突貫工事で約21億円の建築費が継続費として追加された。建屋は鉄骨造とのことで急場しのぎという雰囲気。
議案7号 財産の取得
庁内で使用する業務用パソコンを273台購入し、5年を経過してものから入れ替えを行う。柏市の日興通信株式会社が4,895万5千円で落札。落札率は67.1%で、ここのところの物品購入では比較的高い。
議案8号 財産の取得
消防団の小型ポンプ車を入れ替えのため3台取得。毎年3台ずつの更新計画で令和6年度で終了する予定。応札業者はいつも限られ、2社がだいたい交代で落札している。落札率は92%。あまり競争が働いているとはいえないかも。
報告1号 継続費繰越計算書の報告
継続費とは多年度にわたる事業の予算をあらかじめ確保してしまう制度で、市井橋の改修工事、原小学校、滝野中学校の校舎増築工事など5事業の工事の執行状況が報告されている。
報告2号 繰越明許費繰越計算書の報告
繰越明許は一年だけ予算執行を繰り越せる制度で、令和3年度から繰越し手続きされた22事業の執行状況が報告されている。
報告3号 下水道事業会計予算繰越計算書の報告
小林駅南口の整備で敷設される雨水管路の予算(約3,500万円)が繰り越されているという報告。公営企業会計では繰越明許の手続きなく、年度が明けてから繰り越されているという報告がされる。
諮問1号~3号 人権擁護委員の推薦
人権擁護委員3人の推薦。再任が1名、新任が2名。