議案1号 個人番号利用及び個人情報提供に関する条例等の一部改正
個人番号利用法(マイナンバー法)では、行政機関がどういう場合にマイナンバーを利用できるか19条で定めているが、社会保障、地方税、防災の分野など条例で定めた「独自利用事務」について号の追加改正があり、条項番号を整理するための一部改正。また、デジタル庁創設に伴って、マイナンバーの所管が総務省から内閣府(デジタル庁)になり(個人情報保護条例で「総務大臣」が「内閣総理大臣」に変更)、自治事務だったマイナンバーカードの再発行がJ-LIS(地方公共団体情報システム機構)からの委託事務になった(手数料条例から再発行手数料800円を削除する変更)。マイナンバーカードの発行は40.87%とのこと。
議案2号 歯と口腔の健康づくり条例の一部改正
口腔の健康が体全体の健康づくりに大きく関係するという認識が高まり、平成25年度に制定された条例だが、年々要求される施策が増え、県条例も令和2年度末に改正されていることから、市でも改正作業を行ったもの。口腔の状態をみると子どもや高齢者の生活状況がわかることから、口腔検診などを充実させて虐待(ネグレクト)防止や介護予防などにつなげていく内容となっている。具体的施策事業は、現在は、「健康いんざい21」の施策体系の一つで計画されていて、正直、内容に乏しい。今後、改正内容を計画にどう反映させ、計画を推進する体制をどう整えていくかが条例改正を生かすカギになる。
議案3号 一般会計補正予算(第6号)
5億8,615万円を追加する増額補正。9月定例会に提出される補正予算は、予算編成時の人件費を現員現給に補正するのが定例。今回は派遣も含めて11人の退職者があったために全体で9千万円の減額となっている一方、ひとり親家庭支援に2,200万円、新型コロナ対策費で約1億円(医療施設の支援、学童クラブへの支援)、食料米から飼料米への転換支援金などで約1億円、原小、牧の原小の校舎増築や小中学校の教材整備費などで3億7千万がそれぞれ増額になっている。
議案4号 介護保険特別会計補正予算(第2号)
65歳以上の1号保険料が年額で2,400円引き下げになった(第5段階、基準額)ことから、1号保険料収入を3,629万円減額する。予算編成時には今年度からの保険料がまだ決まっていなかったために補正予算で調整された。前年度からの繰越金2億9千万円を繰り入れた。
議案5号 工事請負契約の締結
滝野中学校の増築工事の契約。鉄筋コンクリート造3階建てで普通教室だけでなく理科室、音楽室などの特別教室も整備される。これまでの他校で整備されてきた仮校舎的なものではなく本格的な増築で、もともと開発の進度で増築できるように予定地が用意されていたという。7億5,800万円で千葉市の(株)冨士工が落札。
中学校に増築予定地があるならば隣の小学校にもあるはず。同じ中学校区の牧の原小学校は、仮校舎を2棟建てる予定になっているが、増築予定地のある滝野小に校舎を建て、学区を多少変更してみてはどうなのだろうか。校庭を削って2棟建てるよりはいいと思うが。
議案6号 市道の路線変更
かねてから危険と言われていた「竹袋の変則交差点(県道臼井印西線に印西中学校前からの道路、ジョイフル本田の裏口につながる別所道路が変則的に接続している)」を改良するための起点変更。改良後は県により信号機が設置される予定とのこと。新たな路線の用地はこれから買収し、令和6年に供用開始となるスケジュール。
議案7号 市道の路線認定
議案6号で変更された路線の旧路線を新規の路線名をつけて認定する手続き。その他に、牧の原3丁目の宅地開発により歩行者専用道路も含め16路線、滝野3丁目の2路線を認定する。
議案8号 一般会計補正予算(第7号)
いわゆる花火訴訟の判決が言い渡され、支払い命令のあった金額を増額補正した。支払い請求の1,500万円のうち1,200万円を市が支払い、金利を含めて1,479万円を支払うことになった。判決の金額で判断すると、過失割合は8:2ということになる。発注者、主催者により多くの責任が求められた結果となった。判決後もノーサイドとはならないだろう。
認定1号 令和2年度一般会計決算認定
新型コロナ対応の一年となった令和2年度は前年度より歳出が200億円増加した過去最高額の決算となった。増加の原因は「10万円の特別定額給付金」ほか各種のコロナ関連支援、オンライン授業を想定した小中学生一人一台のPC配布、公共施設整備基金をつくるため基金間で資金を組み替えたことによる形式的な増加があげられる。コロナ過で支払い猶予等の措置があったにもかかわらず、人口増により個人市民税が増え、固定資産税はデータセンターの進出で償却資産が増加している。償却資産の割合が高い傾向は印西市財政の一つの特徴と思う。財政力指数は1.07とさらに自立度が進み、経常収支比率は86.8%で、財政当局は「財政の硬直化が改善しない」と評価しているが、改善させて、何か新しいアイディアをもって新しい事業をやるのだろうか。公債費比率は0.1%(市民税を分母とした割合)で、「借金してでもやりたいこと」はないのか! などと悪い考えをついもってしまう。
認定2号 国民健康保険特別会計決算認定
歳入歳出ともに令和元年度よりも約1億円少ない決算となった。保険税収入は約20億円の予算額に6億3千万が未済額になっており、コロナ過による支払い猶予で増えている。歳出では、受診控えにより療養給付費が約8千万円の減。
認定3号 介護保険特別会計決算認定
第7期計画の最終年で、歳入は前年比1億2千万円増の約55億円だったが、歳出(介護等給付)は、コロナの影響で利用控えもあり、約52億だった。約3億円の余剰金は繰り越して第8期計画に組み込まれている。第8期1号介護保険料はこの余剰金もあって保険料額が下がった。
認定4号 後期高齢者医療特別会計決算認定
歳入9億2千万、歳出9億円で、規模は前年度比1割増で決算。国保同様に若干の受診控えがみられた。
認定5号 水道事業会計決算認定
印旛地区の老朽水道施設の改修が完了し、令和2年度は無効水量が大幅に減り、全体の給水量は減ったが有効水量は増えている。水道水1㎥を提供する価格(供給単価)は242.8円、一方で水道水1㎥を仕入れる価格(給水単価)は305.7円で、1㎥の給水で62.9円の赤字となっている。前年度よりは7円ほど逆ザヤは改善したが、「水道料金の値上げ」という答弁があり、値上げは現実的な問題となりつつある。
認定6号 下水道事業会計決算認定
令和2年度から公営企業会計に移行し、初めての決算で、前年度からの比較がなかなか難しい。下水道使用料などの収入は31億円、処理経費は28.8億円。処理区域内人口は一年で2千人増えている。やはり気になったのは合併協議での約束だった旧印旛村岩戸地区の特定環境下水。1,215万円をかけ104.5m敷設し、たぶん4世帯の接続(質疑したけれど明確にならなかった)。
報告1号 継続費精算書の報告
印西文化ホール&大森図書館の大規模改修工事予算は、令和元年度~2年度の継続費が設定されており、その精算報告書。
報告2号 健全化判断比率、資金不足比率の報告
財政健全化判断比率とは、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の4指標をまとめていう。堅実な印西市財政においてはまったく関係ないが、国が基準を設けて指標が悪い自治体は「健全化せよ」と指導されることになる。赤字ではないので算定されていないが、実質公債費比率は、平成29年度は3.1%、30年度は1.8%、令和元年度は0.7%、2年度は0.1%だった。財政規模からしたらほぼ借金がない状態とわかる。
資金不足比率は公営企業会計のための比率で、印西市は上下水道が対象だが、資金不足になっていないので算定されていない。
報告3号4号 公用車の事故の専決処分の報告
駐車していた公用車が発進したときにフェンスにぶつけたり、ガードパイプにぶつけたりした賠償金支出の報告。2件あわせて315,700円。
同意1号 固定資産評価審査委員会委員の選任
固定資産評価審査委員会委員の再任。
同意2号 教育委員の任命
教育委員1名の再任(3期目)。
請願 教育環境改善に関する請願書(採択)
船穂小学校存続の活動から大規模校の是正に広がり、署名活動が行われた請願。請願事項は①小規模特認校制度を導入し過小規模の解消、②スクールバスを運用した柔軟な学区外就学を実施し過大規模の解消、③小規模校の存続と大規模校の適正規模化、となっている。私は委員会では賛成、本会議では反対という態度表明になってしまった。
地域、保護者が存続を訴えるなら小規模校でも存続できる方策を考えるべきであること、小規模校存続や過大規模校の解消には学区の自由化がもっと議論されるべきという考えで、おおむね趣旨には賛成だったのだが、②の「スクールバスを運用した柔軟な学区外就学」は、全市的に実現することは不可能なので、もっと議論が必要だと主張し、一部採択や付帯決議のために継続審査を求めたが否決されたため、本会議では反対とした。反対者は6名であった。個人的には、数の力で採択しても、「反対意見が一定数あった」という状態では現実的に推進することは難しいのではないか。議会が全会一致で後押ししているという状態を請願者、紹介議員は努力してつくってほしかった。
請願 新型コロナウイルス対策に係る緊急請願書(不採択)
請願事項1は、7項目のコロナ対策を「政府、東京都、千葉県に要請せよ」というもの。請願事項2は、7項目のコロナ対策を「印西市に実行せよ」と求めるもの。事項1はまずもって東京都に印西市議会議長が「要請」することができるのか。法的にできないことではないだろうが、常識的ではない。事項2で印西市に実行を求めているもののうち、「小中学校、保育園、窓口業務など市民に接する部署の職員は定期的にPCR検査を行うこと」だけが、その是非はともかく可能であるが、その他は県の業務などで実行不可能だった。