印西市議会議員 ますだようこ(増田葉子)2021年3月定例会の議案 - 印西市議会議員 ますだようこ(増田葉子)

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2021年3月定例会の議案

承認1号 専決処分の承認

新型コロナワクチンの接種体制整備のため、国からの補助金の交付にあわせ、令和2年度一般会計補正予算(第8号)を編成、市長が専決処分したものの承認議案。国補助金4千万円、財政調整基金1千万を財源に、ワクチン接種に向けた対策室の設置やコールセンターの開設、物品の購入などにあてられる。

議案1号 公共施設整備基金条例の制00定

これまで、保健福祉、教育施設整備、庁舎整備とタテ割りでおかれていた基金のうち、施設整備関連の財源を一元化して、公共施設適正配置アクションプランに基づいて必要財源を確保するための基金を新たに造る。条例の付則で「庁舎等整備基金」「教育施設整備基金」が廃止され、保健福祉基金は減額してソフト系の財源として残される。議案10号「一般会計補正予算第9号」で予算の調整がされ、50億円で令和3年度から7年度までの公共施設整備財源を賄う。

印西市は北総鉄道と国道464号の上にたくさんの市道が通り、橋梁がかけられている。ニュータウン地区を中心に下水道整備率も高く、他市に比較して固定資産が多い。バランスシートで確認すると平均的に年60億円~70億円が償却されている。これらのインフラの老朽化対策や耐震化が将来的に必要になってくるので、多少でも「積み立てる」意識が必要と思うが、新たに制定された基金は、あくまでもこの先5ヵ年の財源を確保するためのもので、年度末にお金が余ったら積み立てる手法をとるという。今までも年度末に余ったお金を各基金に振り分けて積み立ててきたので、運用形態はあまり変わらないことになる。

議案2号 教育振興基金条例の制定

議案1号で、「教育施設整備基金」を廃止しているので、新たに教育のソフト系の基金を造る。教育施設整備基金から5億円を引継ぎ、今般、国のGIGAスクール構想として国庫補助で整備された、小中学生一人一台のタブレット型パソコンの5年後の更新費用として積み立てておくという。

議案3号 まち・ひと・しごと創生推進審議会設置条例の廃止

時限法であった、まち・ひと・しごと創生法によって置かれていた審議会が廃止され、機能は、総合計画審議会に引き継がれる。すでに令和3年度からの新総合計画では、まち・ひと・しごと創生戦略を一体策定しており、総合計画審議会のメンバーにも、金融関係、メディア関係の学識者が委嘱されているという。設置時は法に基づく個別の交付金があったため、個別に計画をつくり審議会もおいた(が、これからは一体でやっていく)、という答弁はいかにも印西らしい。

議案4号 非常勤特別職の報酬・費用弁償条例の一部改正

非常勤特別職であった「社会福祉法人監査指導員」を業務委託とするため、条例の一覧別表から削除するもの。29年度の会計年度任用職員制度が導入された改正地方公務員法で、非常勤特別職は「専門的知識・経験に基づき、助言、指導、診断の業務にあたる者」と限定され、監査は権力的業務にあたり、このカテゴリーから外れるらしい。

社会福祉法人は、全国的に多額な留保資金の存在が問題になったり、義務化されている公益活動が不十分であったりする例があるので、監査の結果、指導が必要となる事例も出てくると考えられる。税理士会からの推薦をもとに委託先を決定し、職員が監査に同行して、指導が必要な部分は市が主体的に指導していくとのこと。

議案5号 手数料条例の一部改正

「建築物エネルギー消費性能適合性判定審査手数料」を別表に追加するもの。条例改正はするが、(限定特定行政庁である)市では、改正の対象となっている延べ面積300㎡以上の建築物の確認を行わないことから、業務にまったく影響がないらしい。平成25年度から民間判定機関に1件の申請があっただけという。

議案6号 国民健康保険条例の一部改正

被保険者資格の適用除外要件を変更するもの。養護老人ホームなどの入所者で市長が認定した者を被保険者としない規定がおかれていたが、国からの通知もすでに廃止されており削除する。その代わりに児童養護施設に入所しているか委託里子となっている「扶養義務者のいない」子どもを被保険者としない規定が追加された。

虐待などにより施設や里親のもとで養育されている子どもが増えているが、親が無保険だったり保険料を滞納していることで、スムーズに医療を受けられない例がたまにあるという。しかし、今回の改正はあくまでも「扶養義務者のいない」子どもに限られ、市内にあるファミリーホームなどで暮らす子どもは対象にならないようだ。市の説明では、削除するほうも追加するほうも実態としてはほとんどなく、改正の影響はない、ということだった。

議案7号 国民健康保険税条例の一部改正

国保税はきまった年額を8回にわけて納付することになっており、納付額は千円単位で切り下げ、端数は1回目の納付額に上乗せされている。1回目に7回分の端数が乗るのでとても高額になり2回目以降との差が大きくなるため、端数の処理を100円単位にすることで平準化させるという改正。具体例として、1回目8000円で2回目以降が2000円だったものが、1回目3100円、2回目以降は2700円となる。

また、昨年度の税制改正で給与所得控除が10万円引き下げられたため、基礎控除を10万円引き上げた。給与所得、年金所得の人は変わらず、事業所得の人は負担減となる。

議案8号 介護保険条例の一部改正

介護保険は3年ごとに制度や報酬が改定され、保険者である市でも介護保険計画が策定される。令和3年度からは第8期計画がはじまる(つまり、介護保険がはじまって満21年ということ)。令和3年度から令和5年度の3年間の介護ニーズを想定し、それに見合う介護保険料を設定しなおしている。

全国的に介護保険料は引上げ傾向で、月額6千円を超えるところも出ていると報道されているが、印西市はなんと引き下げられる。説明では、前期で100床の特養が開設されると想定し保険料を設定したが、結果的に特養の整備が遅れ、予定した小規模多機能施設も公募しても応募がなくサービス供給量が想定よりも少なかった。サービス量が少なければニーズも生まれないため、結果的に保険料収入が多すぎた(約2億円の基金積み立てになった)。今期で特養は開設予定だが、前期の分を「お返しする」ために引き下げたという。改定額は以下のとおり。

階層 保険料率 新保険料(月額) 旧保険料(月額) 年額(月額)の差
1段階 基準額×0.3 16,920(1,410) 17,640(1,470) -720(-60)
2段階 基準額×0.4 22,560(1,880) 23,520(1,960) -960(-80)
3段階 基準額×0.7 39,480(3,290) 41,160(3,430) -1,680(-140)
4段階 基準額×0.9 50,760(4,230) 52,920(4,410) -2,160(-180)
5段階 基準額 56,400(4,700) 58,800(4,900) -2,400(-200)
6段階 基準額×1.2 67,680(5,640) 70,560(5,880) -2,880(-240)
7段階 基準額×1.3 73,320(6,110) 76,440(6,370) -3,120(-260)
8段階 基準額×1.5 84,600(7,050) 88,200(7,350) -3,600(-300)
9段階 基準額×1.7 95,880(7,990) 99,960(8,330) -4,160(-340)
10段階 基準額×1.8 101,520(8,460) 105,840(8,820) -4,320(-360)
11段階 基準額×1.9 107,160(8,930) 111,720(9,310) -4,560(-380)
12段階 基準額×1.95 109,980(9,165) 114,660(9,555) -4,680(-390)
13段階 基準額×2.0 112,800(9,400) 117,600(9,800) -4,800(-400)

議案9号 地区計画区域内の建築制限条例の一部改正

泉野(通称グッドマン村)と牧の原北(印西牧の原駅北側)の地区計画内の建築物について、敷地面積、構造、用途を条例で定め、実効性あるものとするもの。泉野では、非常用発電施設を用途制限から除外し、牧の原地区では建築物の外壁を境界から1メートル以上セットバックする規定を追加し、また、門扉・門柱を1メートル以下とした場合の規定や教育施設地区の垣・柵は原則生垣とし、安全に留意する事項などが追加されている。

議案10号 一般会計補正予算(第9号)

議案1号と2号で新設された基金のお金の調整がされ、全体では54億3,233万円の増額補正。旧基金からの取崩し36億円に、塵も積もれば山となった各事業の執行残16億円、ようやく歳計現金として精算する令和元年度の繰越金13億円などを財源に、議案1号の公共施設整備基金に50億円、議案2号の教育振興基金に5億円、財政調整金に10億円積み立てる。また、道路の維持修繕に関する国庫補助が年度末に追加交付されたことから、翌年度の分を前倒しして予算化し、約7億円を繰越明許費としている。

議案11号 国民健康保険特別会計補正予算(第5号)

前号でも増額されている「高額療養費」をさらに4千万円増額し、あわせて交付金の確定などによる年度末の予算調整がされている。全体としては約5億円の減額補正。

議案12号 介護保険特別会計補正予算(第4号)

調整交付金40万円、東日本大震災の被災者保険料支援である介護保険災害臨時特例補助金60万円の交付を調整した補正予算。

議案13号 後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)

令和元年度の繰越金の精算し、保険料の増減を調整して約3千万円の増額補正。

議案14〜19号 令和3年度当初予算

会計ごとの昨年度比の数字は以下のとおり。単位は千円。

議案番号 会計名 令和3年度 令和2年度 増減額
議案14号 一般会計 40,410,000 39,630,000 780,000
議案15号 特別会計 国民健康保険 15,922,053 15,692,667 229,386
議案16号 介護保険 9,303,631 9,280,266 23,365
議案17号 後期高齢者医療 5,676,683 5,488,783 18,122
議案18号 企業会計 水道事業 987,823 896,130 91,693
議案19号 下水道事業 3,456,358 3,673,220 -216,862
60,776,234 59,892,017 884,217

令和2年度一般会計予算は、新型コロナの影響で10回の補正予算が組まれ、大型給付金もあったので、最終額は587.3億円まで膨らんでいる。この表は当初予算提出時の額で、今年度もコロナ関連の大型補正予算が続くものと思われるので、最終額はそうとう違ってくるだろうと思われる。当初予算時で、全会計の総額が600億円を超えたのは初めて。市民税はコロナの影響もあり減少するが、固定資産税は堅調に増加する予想されている。

大型の事業としては、牧の原地区のふれあい文化館、本埜支所、原山中学校の大規模改修、牧の原小学校、滝野中学校など人口急増地域での教育・福祉施設の整備など、ハード面での事業が目立つ。国保、介護、後期高齢者医療ともに高齢者人口の増加で着実に増加している。

議案20号 工事請負契約の締結

印西牧の原駅南口のふれあい文化館の大規模修繕工事を税込み8億6,185万円で、松戸市の(株)湯浅建設と締結する。ニュータウン事業の一貫でURが整備してくれたガラス張りの瀟洒な複合施設だが、夏は暑く冬は寒く、老人福祉施設のカラオケが図書館に丸聞こえだという苦情もある。省エネや機能面では照明のLED化がされるくらいで、あくまでも施設の長寿命化工事とのこと。入札は、技術評価を点数化する総合評価方式がとられている。落札業者は技術評価では2位だったが、低入札調査の対象にもなった価格面で上回った。

議案21号 地域密着型サービス事業者の運営等基準条例の一部改正

地域密着型は、印西市民のみが利用できる介護サービスで、小規模な入所、通所、訪問のサービスがある。改正の要旨は、感染症・災害時の業務継続計画の策定を義務づけ、ハラスメント対策、身体拘束等の虐待防止の指針策定や研修を求めるものと、ICTを活用した多職種連携の促進を求めるものなど多岐にわたる。指針などの策定については、3年間の経過措置がとられている。

議案22号 居宅介護支援事業の運営等基準条例の一部改正

居宅介護支援(ケアマネジメント)の事業者に議案21号の要旨と同様の取り組みを求めるもの。小規模な事業所もあるため、改正通りの取り組みができるのか実態把握が必要と感じた。

議案23号 地域密着型介護予防サービス事業者の運営等基準条例の一部改正

議案21号と同じ地域密着型で、要支援1、2を対象とした事業に、同様の取り組みを求める改正。

議案24号 介護予防支援事業の運営等基準条例の一部改正

要支援1、2のケアマネジメント事業に議案21号と同様の取り組みを求める改正。

議案25号 令和3年度一般会計補正予算(第1号)

新型コロナワクチンの接種に向けた具体的な体制づくりと接種ワクチン代が当初予算審査後にすぐに補正された。ワクチン単価2070円に16歳以上人口88,000人、印西市内の医療従事者3,200人に2回接種する費用として、医師の報酬も含め約5.5億円、その他の人件費、接種会場の賃借料などで約1.5億円、全体で7億円の増額補正。肝心のワクチンについては、千葉県への割り当ては4月中旬までに5千回分ていどという説明で、実際の接種はいつになるのか。

同意1号 副市長選任の同意

現在の副市長が2期目に再任された。

同意2号~12号 農業委員の任命の同意

農業委員11名の同意。全員が再任で継続が9人、元職が2名。2期目が6人、3期目が2人、4期〜6期目がそれぞれ1人。女性農業者は1人という状況。

発議案1号 市議会会議規則の一部改正

全国市議会議長会から示されている市議会標準会議規則が改正されたため、準じて改正するもの。議員の会議欠席の事由として「事故あるとき」だけだったものが、「公務、疾病、育児、看護、介護、配偶者の出産補助、その他やむを得ない事由」と具体的に示された。また、実質的に被用者と同じ「産休」が設けられた。

請願 核兵器禁止条約の参加・調印・批准を求める意見書を日本政府に提出してください (不採択)

今年1月に核兵器禁止条約の批准国が50か国を超え、国際条約として発効したことを契機に、印西市議会からも日本政府に批准を働きかけてほしいという請願。請願者ほか28名の市民、印西9条の会ほか2団体が賛同署名し提出された。日本政府は米国との同盟関係を鑑み、条約批准に否定的だが、世論調査では半数以上の国民が批准すべきとしている。印西市議会では、残念ながら賛成少数で不採択となった。いつもながら安全保障は国の専権事項であり、市議会で議論すべきではないという意見も見られた(そうであるなら非核平和都市宣言を撤回すべき)。公党の公認候補として票をいただいている議員は、所属政党の見解もふまえ、立場を明確に討論すべきと思う。

第1回臨時議会(3/30)

議案1号 令和2年度一般会計補正予算(第10号)

国の令和2年度予算で、低所得の子育て世帯への追加給付金が決まり、年度末ぎりぎりで10回目の補正予算が提出され臨時議会が開かれた。これまで2回、児童扶養手当受給世帯(ひとり親世帯ほか)には、子ども一人につき5万円、第2子から3万円が給付されてきたが、3回目の今回は、住民税非課税など経済的に困窮する二人親世帯にも拡大され、子ども一人に(第2子以降も)5万円給付されるという。予算は組まれたが、国から給付基準がまったく示されておらず、18歳以下の子どもがいる世帯の4割くらいの数で予算計上し、約4億円の増額補正となっている。すでに2回給付されているひとり親世帯は申請なく5月中旬の給付、はじめての二人親世帯は、確定申告修了後の住民税の調定のなかで給付世帯が絞られ、申請の上で給付となるはずなので、実際に現金が給付されるのは7月ころか? ところでこの予算は繰越明許しなくてもいいの?

報告1号 専決処分の報告

7月におきた道路の穴による車両の損傷の和解金支払いの専決処分の報告。高花6丁目から総武カントリーの間をぬけ岩戸に出る市道でおきた事故。朝8時の明るい時間帯で穴を避けることもできたのではないかと思われ、保険会社の示した過失割合は5対5だったというが、相手方が不服とし、弁護士を通じての示談交渉に時間を要したためこの時期になったという。

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