議案1号 都市計画税条例の一部改正
地方税法の一部改正で条項番号の繰り下げがあり、引用されている条項番号を改正するもの。改定された地方税法の内容は、新型コロナウイルスの影響で、令和2年2月から10月までの間、前年比で30~50%収入減となった中小事業者(法人だけでなく個人事業者も対象)に減免2分の1、50%以上の収入減はゼロにする措置を、令和3年7/31を申請期限として講じたもので、前議会(議案2号)で可決済み。この改正では実質的な影響はない(という答弁)。
議案2号 介護保険条例の一部改正
地方税法の一部改正で、「特例基準割合」が改定されたことから、介護保険条例の附則に定められている延滞金の規定に反映されたもの。特例基準割合とは、平均貸付割合(国内銀行の新規の短期貸し付け金利の一年間の平均を財務大臣が告示する割合)に1%を加算したもので、この改正で、「延滞金特例基準割合」と名称が変更されている(変更というより「延滞金の特例基準割合」として分化させた。ほかに利子税特例基準割合とか還付加算金特例基準割合とか猶予特例基準割合があるようだが、難解で解読不能)。
延滞金は住民税などを滞納したとき加算されるもので、納期限から一か月以内は2.6%、一か月を過ぎると8.9%が加算されるという恐ろしきものである。地方税法の本則では、一か月以内は7.3%、一か月超は14.6%という高い延滞金が維持されているが、附則改正で年々下げられており、平成30年から上記の率まで下がっている。
難解な税制度はさておき、新聞報道では介護保険料の滞納で差し押さえをうける高齢者が全国で2万人に迫る状況という。印西市では延滞金が千円を超えたときに課しているとのことで、一か月以内の滞納で課されることはないそうだ。令和元年度は、2,487万円の滞納額で50人ほどに延滞金が課されたとのこと。また、徴収権の時効で欠損金となったのは約800万円だった。
議案3号 居宅介護支援事業の人員及び運営基準に関する条例の一部改正
居宅介護支援事業所とはケアマネージャーさんが在籍し、利用者のケアプランの管理などを行う事業所で、管理者は「主任ケアマネ」でなければならないとされた過去の改正の経過措置を今年度末から令和8年度末まで6年間延長するもの。主任ケアマネは5年間の実務経験の後に認定研修を修了して与えられる資格で、現在、人材確保が難しいとされている。印西市内には現在21事業所があるが、経過措置延長の対象となる主任ケアマネがいない事業所は12か所に上る。また、ケアマネが一人しか在籍しない事業所は6か所で、うち主任ケアマネでない事業所は4か所とのこと。一般的にケアマネが一人だと助け合いや切磋琢磨がなく、質の向上が期待できないと言われているが、それをカバーする情報交換会などを市が組織しているとのこと。
議案4号 後期高齢者医療に関する条例の一部改正
議案2号と同様に地方税法の改正によるもので、この条例では、還付加算金の特定基準割合を引き下げるもの。過誤納などがあり市が納税者に還付する際に加算する金利が1.6%から1.1%に引き下げられる。令和元年度では2件の事例があったとのこと。
議案5号 道路占用料条例の一部改正
前出の議案と同様の趣旨の改定。道路占用料とは常に道路を占用している状態の占用物にかかる料金で、主に地下に埋設されている上下水道、ガス、通信・電気など管や電柱、ポストなどにかかる。工事やイベント等で一時的に道路を占用する場合は、道路使用料になる。
議案6号 急傾斜地崩壊対策事業分担金徴収条例の一部改正
県で行っている急傾斜地崩壊(がけ崩れ)対策工事の受益者分担金の延滞金について、前議案と同様の改定をするもの。市内の急傾斜崩壊危険区域は市内で7か所指定されており、平賀と萩原の2か所で工事が実施されている。崖の高さにより工事費の4~5%を受益者が負担する設計になっている。滞納はなく、延滞金も実績ない。
議案7号 都市計画下水道事業受益者負担条例の一部改正
前出の議案と同趣旨の延滞金の改定。下水道事業受益者負担金とは、市街化区域内で宅地化されていない土地では下水道接続が猶予されている。開発され宅地化するときに受益者負担が生じる。令和元年度2件の事例があり、滞納はない。
議案8号 公共下水道事業分担金徴収条例の一部改正
前出の延滞金に関する改定と同じ。公共下水道事業とは、市街化調整区域での下水道事業で、岩戸地区で工事が行われている。議案7号と同じ接続による受益者負担金で、令和元年度は5件あった。同じ内容でも、市街化区域は都市計画法の用語で「受益者負担金」といい、調整区域では、地方税法の用語を用い「分担金」と言っている。
議案9号 下水道条例の一部改正
延滞金に関する前議案と同様の改定。下水道利用者が支払う下水道使用料の滞納にかかる延滞金についてのもの。
議案10号 一般会計補正予算(第5号)
1億6,324万円増額の補正予算。増額の主なものは、新型コロナ対応の議場にすることを契機に議会システム更新の経費として4,630万円、ふれあいバス・路線バスの新型コロナの影響による減収補てん補助金として2,359万円、避難所の三密対策として、避難者をバスで他所へ輸送する経費として1,147万円など、新型コロナ対応の経費と、児童・生徒数の増による学校備品や教材の購入のための経費が目立つ。逆に人件費では予定された新規採用ができなかった等で1億1,154万円の減額で、差し引きで冒頭の増額となった。債務負担では、市役所市民課と国保年金課の窓口を業務委託する経費や印旛中央地区区画整理事業の環境アセスメントの経費などが追加された。
議案11号 国民健康保険特別会計補正予算(第3号)
新型コロナの影響で減収になった世帯から国保税の減免がすでに113件申請、103件決定されている。さらに追加され150世帯からの減免申請がある見込み、保険税収入を3千万減額し、前年度からの繰越金を財源としてあてる。
議案12号 介護保険特別会計補正予算(第2号)
前年度繰越金など約2億円を基金に積み立てる。
議案13号 工事請負契約の締結
松山下公園陸上競技場の大規模改修工事を、1億3,222万円で長谷川体育施設(株)と締結。内容は、走路、助走路のウレタン塗装やラインマーキング、ハンマー投げサークル、棒高跳び跳躍場等の表面改修、観覧席の人工芝張替えなど。
議案14号 工事請負契約の変更
大規模改修工事中の印西文化ホールと大森図書館だが、新型コロナの影響で工事が一時中断し、工期の延長や消防施設の追加、換気のための網戸の設置などで6,368万円の追加変更。工期は来年3/12までで、新年度からリニューアル開館の予定。
議案15号 基本構想の策定
10年に一度しかない議案。令和3年度から10年間の総合計画のうち基本構想部分を議決した。総合計画は基本構想、基本計画(5年ごとに前期と後期に分かれる)、実施計画(3ヵ年計画で毎年ローリング策定)からなり、以前は地方自治法で策定と基本構想の議決が義務づけられていたが、現在は法定の義務はなく自治体ごとの判断になっている。印西市では、議員発議で自治法の規定と同じ仕組みを条例化して残した経緯がある。
次期基本構想のスローガンは、「住みよさ実感都市 ずっとこのまち いんざいで」となった。基本政策も6つから5つに簡素化され、個人的感想としては「外に打って出る」雰囲気がなくなり、「内を充実させていく」ことに主眼がおかれているように感じられた。
議案16号 ひとり親家庭等医療費助成に関する条例の一部改正
県事業でもある「ひとり親家庭の医療費助成」が11月1日から現物給付に移行することになったための改正。これまでは一時立て替えが必要だったが、これからは病院等の窓口で受給券を提示することでその場で助成が受けられる。医療費の自己負担は入院・通院が一日200円で変更ないが、調剤費が全額助成になる。
認定1号 令和元年度一般会計決算
歳出総額は約343億円で、歳入歳出ともに前年比微増で決算。財政の自立度を示す「財政力指数」は1.04で前年度よりさらに自立が進み、財政の柔軟度を示す指標の「経常収支比率」は87%だった。市税収入は207.5億円で「順調に」増えている。令和元年度は市役所内の組織改編がされており、大きくなりすぎた健康福祉部を福祉部と健康子ども部に分けたりしたが、改編の結果が出るのはまだ先だろうかと思う。
認定2号 元年度国民健康保険特別会計決算
歳入88億4,870万円、歳出87億7,150万円。歳入のうち加入者の保険料は20億4,637万円で財政が共同運営となっている県拠出金は62億5,009万円であった。保険税の徴収率は令和元年度分は92%、滞納分は20.4%で少しずつ落ちている。
認定3号 元年度下水道事業特別会計決算
令和2年度から水道と同じく公営企業会計に移行するため、特別会計としては最後の決算になる。歳入16億5,022万円、歳出16億5,349万円で「赤字」だった。必要な経費に充てる財源を用意する公会計で赤字になるのはとても珍しいこと。マイナス分は新たな公営企業会計に引き継ぐという。内容としては、中継ポンプ場や管路の老朽化、耐震化が大きな課題であると思う。年々少しずつという感じである。
認定4号 元年度介護保険特別会計決算
歳入53億7,694万円、歳出51億7,624万円、差し引きで2億円が剰余金となった。歳入のうち一号保険料は14億7,622万円で、残りは2号保険料に基づく交付金、国・県・一般会計からの繰入金で構成される。2億円余ったというのはどう評価すべきか。保険料の設定が高かった(高齢者に負担を求めすぎた)か、ちょきん運動等の介護予防が功を奏した(介護認定者が減った、または介護サービスを使わなかった)か。
認定5号 元年度後期高齢者医療特別会計決算
歳入8億2,688万円、歳出8億1,578万円、うち保険料は6億5,044万円。
認定6号 元年度水道事業会計決算
一年間の収支となる収益的収入は6億2,250万円、収益的支出は5億9,395万円。収入のうち水道使用料は、4億1,201万円で残りは一般会計からの補助金、負担金で賄う。給水する水は印旛広域水道から買っており、令和元年度の原価は1㎥あたり318.32円。それを1㎥あたり248.38円で各家庭に給水している。いわゆる逆ザヤの経営だが、八ッ場ダムの完成でさらに原価が上がる可能性があり、解消される見込みはない。
報告1号 健全化判断比率、資金不足比率の報告
決算認定とあわせ、財政の健全度を測定する指標を公表することになっている。赤字比率や将来負担比率などは赤字でないので算定すらされない健全さ。
報告2号 和解・損害賠償の報告
印西中学校付近の市道で、道路の穴に落ちて車両の前輪を破損した事故の和解額が報告された。
同意1号 固定資産評価審査委員会委員の選任
再任1名の選任の同意。
同意2号 教育委員会委員の任命
再任1名の任命の同意。
諮問1号 人権擁護委員の候補者の推薦
新任者1名の推薦の報告。