議案1号 会計年度任用職員の給与等に関する条例の制定
公共サービスにおいても非正規化が急速に進んでおり、印西市でも正規職員と非正規職員の割合は6:4となっている。非正規職員無しで、公共サービス、とくに介護保険や保育、介助員や英語講師といった新たな教育現場の需要については、すでに成り立たない状態になっている。それにもかかわらず、印西市では、正規職員の初任給をベースに賃金が決められており、高校生のアルバイトでも時給千円を超えている現在、いまだ時給930円などという職種もあり、たいへん申し訳ない状況になっている。
地方公務員の働き方を規定する地方公務員法は、基本的に常勤の正規職員によって公共サービスが行われ、正規職員で足りないところを「臨時職員」が補うという建て付けになっており、非常勤職員は法的にあいまいな状態にあった。地方公務員法の改正に伴いこの条例は、「非常勤職」を公務員として位置づける性質のもので、その代わりに、これまでの時給賃金に加えて期末手当が正規職員と同様の月数で支給されることになる。公共サービスの非正規化を追認することになるが、4割もいる非常勤職員にとっては待遇改善になる。
ちなみに、臨時職員は、任用期間は一年以下で、勤務形態は正規職と同じく常勤である。印西市には、臨時職員がおらず、すべて非常勤(パートタイム)任用である。非常勤は、常勤よりも週あたりの勤務時数が少なければならない。正規職員は週40時間勤務で、それよりも30分少ない週39.5時間勤務という非常勤職員も少数であるがおり、業務内容は正規職員とほぼ同様と思われる。そうした実態を考えると、追認でいいのかとの疑問もあるが、社会全体として、非正規の働き方の待遇改善に向かっていく方向になり、同一労働同一賃金により近づき、「正規雇用がよく非正規雇用は底辺」という社会階層の定着に掉さすものでもあると考える。施行は令和2年度からで、期末手当が支給されることによる財政負担は、6,700万円と推計されている。
議案2号 印鑑条例の一部改正住民基本台帳法施行令の改正により、令和元年11月から住民票に「旧姓」の記載が可能なる。結婚後も旧姓のまま仕事を続ける人が増えたことによる措置で、同様に印鑑証明にも記載が可能になるという改正。住民票と連動するわけではなく、どちらも申請が必要。あわせて、本人が本人の意思によって印鑑証明の発行を申請するとき、印鑑登録カードの提示が不要になる改正がされた。
議案3号 職員の勤務時間、休暇に関する条例の一部改正
「働き方改革」「時間外勤務抑制」の流れから、時間外勤務の上限を設ける。労働基準法、人事院規則改正によるもので、国家公務員と同じ規定を設けることになる。具体的には週45時間かつ一年360時間の範囲で月100時間未満、年720時間の範囲で2か月~半年間の平均が月80時間未満とする。言うまでもなく、「過労死ライン」といわれる月80時間を超える時間外勤務が2~6か月続く状態で、上限として設ける意味があるのか。
議案4号 公益法人等への職員派遣に関する条例の一部改正
地方公務員法改正の余波で条項番号を整理したもの。地方公務員法の改正内容は「すべての職員を条件付き採用にする」というもの。条件付き採用とは、民間の試用期間を設けた採用に相当するもので、期間は半年間。これまでは、臨時職員や非常勤職員は条件付き採用でなかったが、議案1号の会計年度任用制度の導入に連動したものと思われる。
公益法人への職員派遣は、現在は千葉県文化財センターに1名派遣しているとのこと。
議案5号 非常勤特別職の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正
議案1号の会計年度任用制度の導入にあわせて、これまで非常勤特別職としておかれていた職種を、廃止、有償ボランティア、会計年度任用職員に振り分けるもの。今年度の予算書によると、非常勤特別職は2,240人おり、付属機関の審議会・協議会の委員や専門性のある相談員、指導員などの職で、公務員法の適用を受けない。ちなみに市議会議員も非常勤特別職である。改正後は、介護相談員や交通指導員などは「有償ボランティア」に、社会教育指導員や消費生活相談員など「労働性の高い」職種は会計年度任用制度に移行される。
議案6号 職員の給与条例の一部改正
非正規雇用の制度の一つとして、印西市には「任期付職員」が、学童保育指導員、保育園保育士、保健師を中心に166人存在している。その待遇(賃金)を改善して、常勤職員との均衡を図る改正。改正によって、令和2年度から、期末手当に加えて勤勉手当と地域手当が支給されるようになり、再任用職員(定年退職後の再雇用)とほぼ同待遇になる。財政負担は、9,200万円と推計。
議案7号 手数料条例の一部改正
建築基準法施行令、建築物省エネ法の改正により、所管行政庁(建築確認申請をする建築主事がいる地方自治体。印西市は低層の木造建築を所管する限定特定行政庁)の事務に、省エネ性能向上計画の審査が追加され、その手数料が規定されたもの。対象となる建築物はマンションなど一定規模以上のもので、実質的に印西市への申請はない。
議案8号 歩行喫煙・ポイ捨て防止条例の一部改正
千葉ニュータウン中央駅前に2か所設けられている「指定喫煙場所」が撤去される。公共的スペースである駅前がようやく全面禁煙に。未だに「分煙」を主張する意見があった(@_@)
議案9号 市道構造の技術的基準を定める条例の一部改正
道路構造令の改正に伴い、自転車通行帯の設置要件などが規定された。自転車と歩行者の事故が増えていることから、より自転車と歩行者の分離を促進する方向性。市内では、ニュータウン中央のイオン前の道路にすでに自転車通行帯が設けられている。
議案10号 地区計画条例の一部改正
良好な住宅地の環境保全のために、地区計画を設定して建築物等の制限や規制を行っている。新たに造成されている小林浅間二丁目地区を加えるもの。
議案11号 消防団の設置、定員、任免、服務に関する条例の一部改正
地方公務員法の改正により、消防団員の欠格条項から、成年被後見人、被保佐人を削除するもの。本人が希望すれば、被後見人、被保佐人も入団ができることになる。組織としての合理的配慮が求められる。
議案12号 幼稚園保育料条例の一部改正
幼児教育無償化に伴う、子ども子育て支援法の改正による。「支給認定保護者・子ども」が、「教育・保育給付認定保護者・子ども」と用語が変更される。
議案13号 水道事業設置条例の一部改正
特別会計でだった下水道事業に公営企業会計を適用し、組織、会計を水道事業と統合するもの。条例の名称も、水道事業設置条例から、水道及び下水道事業設置条例となる。
議案14号 水道事業給水条例の一部改正
水道法の改正により、給水装置工事業者の指定の更新規定が整理された。
議案15号 一般会計補正予算(3号)
10億79,603円の増額補正。もっとも大きな増額要因は、木下駅南口の日本デキシ―跡地購入に向けた「土地開発基金」への繰出金8億5千万円。その支出に、固定資産税の増収5億円、予算編成時から減った人件費1億円(新規採用の内定辞退6名など)や、幼児教育無償化に伴う交付金約4億円などで賄う。これだけ大きな「買い物」に、財源に困るようなことはないようだ。また、ふるさと納税の返礼品が324万円増額されていて、返礼品に市内で製造している「ハズキルーペ」を加えたところ、寄付額が約10倍になった。
議案16号 下水道事業特別会計補正予算(1号)
30年度決算で繰越金4,927万円が確定し、この特別会計の財政調整基金に繰り出した。公営企業会計への移行が一段落したのか、職員が1名減となった(現場はまだまだ人が足りないとの答弁だったが)。
議案17号 介護保険特別会計補正予算(2号)
30年度決算で繰越金2億4,870万円が確定し、特別会計の財政調整基金に繰り出した。
議案18号 工事請負契約の締結
印西文化ホールと大森図書館の大規模改修工事の請負契約。税込15億4千万円で横芝光町の古谷建設が受注。工期は、令和2年9月まで。照明のLED化、トイレの洋式化はされるが、あくまでも建物本体の長寿命化工事であり、各部屋の防音などの機能向上はされない。
議案19号 市道の路線変更
北千葉道路(国道464号)の延伸工事に伴う国道下の改良路線5路線を認定するもの。
議案20号 市道の廃止
議案19号の路線変更と同時に1路線を廃止。
議案21号 市道の認定
上記2議案と同時にされる新規路線9路線の認定。
議案22号 工事請負契約の変更
前議会で議決した「西の原中学校校舎増築工事」の契約金額と工期を変更するもの。基礎工事中に地中から農業用廃プラスチックなどの産廃が「出土」し、土壌改良できない不良土101㎥の入れ替えのために、452万円増額し、工期も1か月延ばす。産廃の投棄は、ニュータウン事業造成時にされたものか、それ以前の投棄か不明。請負業者は横芝光町の畔蒜工務店。
議案23号 市立保育園の設置管理条例の一部改正
議案12号と同様に、保育園部分の用語変更。
報告1号 継続費精算報告書
28~30年度の継続費となっていた障がい者サポートセンター整備事業の報告。30年12/1から開所した。
報告2号 平成30年度健全化判断比率、資金不足比率の報告
地方財政健全化法の規定で、決算時に「健全化判断比率」、公営企業の「資金不足比率」を報告することになっているが、印西市は赤字、資金不足を生じておらず、まったく「健全化」の必要ないため、数値での報告はされていない。実質公債費比率も、イエローカードが25%、レッドカードが35%のところ、印西市は1.8%となっている。
報告3号 専決処分の報告
木下東で、公用車がごみ集積所のブロック塀に接触する事故をおこし、修繕費などを賠償するもの。
同意1号 固定資産評価審査委員会委員の同意
固定資産評価に関するトラブルを審査する委員で、新任者1名を同意。
同意2号 教育委員会教育長の同意
教育委員会委員長と教育長を同意するもの。現任者が再任。
同意3号 教育委員の同意
教育委員会委員の再任1名を同意。
諮問1、2号 人権擁護委員候補者の推薦
再任者2名を推薦
発意1号 市議会委員会条例の一部改正
下水道課が水道部に統合され、上下水道部となるため、常任委員会の所掌部が変更された。議会運営委員会からの発意案という形で提出された。