クリーンセンターを500メートル移転して新たに建設すると市長が決めた。現在地からかなり離れた場所も候補にあげて「選定した」結果だという。
私は、用地選定が「出来レース」だと思って住民監査請求をした。ある人は40億円という高い用地費が問題だというし、ある人は住民の健康問題だという。またある人は市民参加、説明責任の問題だという。
結局、なにが問題なのか「争点がわかりづらい」という声はよく聞いた。
私は、クリーンセンターの問題は、「まちづくり」の問題だと思う。
迷惑施設として、あまり人が住んでいない場所に建てる自治体が圧倒的に多い。なのに、印西市では「あえて街中」なのだ。その意義を「まちづくり」の中でどう考えたらいいのか。
これまで、クリーンセンターは元からあった物だった。多くの住民は引っ越してきたときからクリーンセンターはあそこにあった。でも、これからは「あえて街中」なのだ。だって、街中でないところも候補だったんだから。
あえてその決定をしたのは山﨑市長だ。市長はどんな「まちづくりのビジョン」を心に描いて、その決定をしたのだろうか。
何度も説明会に出て市長(組合管理者としての説明会だけど)の話を聞いたけれど、いっこうに「まちづくりのビジョン」が伝わってこない。実はどうでもよかったんじゃないかと思えるほどだ。「CO2削減やまちづくりの観点からあの土地を選んだ」と繰り返すのみ。だ~か~ら~、あなたの言う「まちづくりの観点」って何なの?と思う。
問題意識をもたずに参加した市民も、「市長の話を聞けば聞くほど疑問がわいてきた」と言っていた。「説明を尽くすため」と予算計上を延ばしたけれど、説明すればするほど疑問をもつ市民が逆に増えるのではないか、と思う。
説明を聞いて疑問をもつ。なぜそんなことになるのかと言えば、それは、市長がビジョンを市民に語っていないからだ、と思う。
住民説明会で、「熱供給を前提にしないで再検討して」と市民から言われた市長は、「今あるものを無いというわけにいかない」と答えた。「使わないわけにいかない」、ただそれだけの動機だからだ。そこにビジョンがないからだ、と思う。
熱供給を活用することでCO2の削減ができる、地球環境に配慮した「まちづくり」ができる、それはとっても良いことだ。ならばなぜ「印西市は全市をあげてCO2の削減に取り組む! 低炭素のまちづくりの先進市になる! その象徴があえて街の真ん中に造るクリーンセンターだ!」と、顔を上げて市民に宣言しないのだろうか。下を向いて自信なさげに職員がつくった説明を繰り返さないで。
印西市はまだCO2削減の地域計画すらもつくっていないはず。
印西市のCO2削減はURがつくった地域冷暖房だけ。ただ、それにのっかったまちづくりです。これではこれから何十年も煙突を100mの高さにしなければならない「公害施設」を受け入れる住民はたまらない。そんなまちづくりのために40億の土地代に血税を使われる市民もたまらない。
下を向いていないでもっと市民の顔をみて、市長のまちづくりのビジョンを語ってほしい。それが「あえて街中」を選んだ責任だと思う。(2012年2月)